第11回 関西文明倶楽部 in Kyoto ,the 2nd time報告|公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会関西ブロック                     

第11回 関西文明倶楽部 in Kyoto ,the 2nd time報告

 今回は「伝統文化とイノベイション」 をテーマに(公財)京都高度技術研究所の後援をいただぎ開催をいたしました、年々回を重ねるごとに、デザイナーだけでなく、多くの識者の方々や各方面のクリエイターに御参加頂き、様々に議論を重ねて11回を数えるに至っております。議論はデザインの枠組みを超えて、クリエイティブ産業や地域文化にまでその議論が広がってまいりました。
 
■日 時 1月28日(木曜日)18:30~20:30
■場 所 京都高度技術研究所 アステム(ASTEM)10階 会議室
■主 催 公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会  関西ブロック フォーラム委員会
■後 援 公益財団法人京都高度技術研究所(ASTEM) 大阪デザイン団体連合 (USD-O)
■テーマ 「伝統文化とイノベイション」
京都は伝統文化を継承しながら、最先端の企業が多くの生まれいます。また前回の文明倶楽部では「伝統はイノベーションの連続で生まれる」という議論が出ておりました。その辺りを皮切りに議論をスタートいたしました。
 
■参加者と議論
 参加者はJIDAメンバー以外では、京都の企業の方々、京都の大学の先生方、研究機関の方々の参加をいただきました。エントリーは20名でしたが、参加者は写真にありますように18名と議論をするのに丁度良い人数となりました。パネラーは①更田誠(ASTEM次長)②澤有紗(QOL総合研究所 所長)③トミタ・ジュン(京都造形芸術大学 准教授/㈱アティモント・デザイン研究所)④北條崇(京都造形芸術大学准教授/JIDA)⑤藤本英子(京都市立芸術大学 教授/JIDA)⑥米澤俵介(堀場製作所・JIDA)⑦竹綱章浩(きずきデザイン/JIDA)⑧奥田充一(JIDA)にお願いいたしました。
 
 議論は藤本先生の京都の景観維持活動をご紹介に始まり、最近は、京都の町屋や高級マンションは海外の資産家達に買われている。今や京都や日本の文化の価値は海外の富裕層の方が日本人よりも評価していて、不動産だけでなく古美術も価格も日本人には手が出ないレベルまで高騰している。等の報告がありました。これは日本の文化財や不動産の海外資産となるという悲観的な視点もあるが、日本の文化や資産の国際化を意味し、海外の富裕層が日本の文化や資産を評価ているという意見もあった。
 問題は、伝統工芸に代表される、日本の文化や資産を日本人自身の評価が低いということである。例えば京都の伝統工芸の技術や美意識を欧米のハイブランドが着目しそれらの活用や研究をしているという報告がある一方、伝統工芸士や文化財は公の援助に頼り、グローバル化や現代生活化と現代の商流に合わせた努力をしていないとの批判的意見もあった。例えば、伝統芸能である歌舞伎はその努力をしているが、文楽は補助金に頼ってきた。 歌舞伎は常にアバンギャルドで、革新を重ねてきた。など。
 歌舞伎の例に見られるように、時代と共に革新を行いながら常にアバンギャルドであることが、伝統でありながら、時代に沿って繁栄をする。京都には100年以上続く老舗は常にアバンギャルドで信用と革新を続けてきた等の示唆に富んだ議論が行われました。
 以上のように多くの示唆に富んだ意見や議論がされましたことをご報告いたします。

 

更新日:2016.02.05 (金) 01:06 - (JST)]
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