9-4.情報と財務

新たな経済価値
tea   モノを作らない経済、それを考えても良いんじゃないか。例えば、医療、いま、システムだけを輸出する会社があります。まさしく、モノを売らない。システムだけを売る。モノを売ると限界がある。
その場に来ないと体験できない事が大事です。京都らしさを体験してもらう。京都ファンを増やす。 世界が望む京都を作る。イメージとしての京都と現実の京都の乖離を埋める。その距離を縮める時に産業構造を作る方法が有効だと思います。

情報収集力の劣化
  今、名古屋で次世代をどうするかを研究しています。名古屋市の中心部で人がどう動いているかが解るんです。例えば、日曜にどこからきて何処へ行くのが解ります。これは習い事だなとか。そういうのを解析して、ひとの動きと欲求を結び付ける事をやってます。そうすると明確に数字が見えて来て、電気自動車って都会では不要ではないかとなる訳です。みんな、車に乗ってないんです。でも、渋滞しているんです。大都市では電気自動車は不要じゃないかと。
こんな風に数字で見ると解るんですが、中小企業さんの弱いのは此処です。数字を出せない。そうすると銀行もお金を出せない。収支計算を作れる情報が必要なんです。そういう人が使える情報を出す仕組みを考え無きゃいけない。
 日本は問屋を無くしちゃったので、市場の声を聴けなくなった。リバースエンジニアって言葉があるけど、リバースマーケティングをしなきゃいけない。これが日本の伝統産業をダメにした理由のひとつではないか。商売って情報ですからね。富山の薬売りって居ましたよね。彼らは情報戦をしていたんです。日本の製薬会社ってすべて富山発ですね。日本中から情報を集めていたんです。

情報の構造化
glass  九州大学が匂いと味の合成に成功しましたよね。でもその売り方が解らない。いま、8,000種のレシピがある訳ですが、どれが良いのかが解らない。何が売れるかが解らないと売れない。 例えば、手品の瞬間で燃え尽きる紙に、お香をしみこませたものが非常に売れている。 三宅一生のフレグランスありますよね。あれ、ぼろ儲けなんです。匂いビジネスとは、匂いにまつわる物語、そして三宅一生の美意識を売る訳です。これも情報の構造の話です。 情報そのものを価値構造に作り上げる。先ほどの電気自動車の話ですが、一つ一つのリソースは京都になる。それをまとめ上げるブランドもある。その全体の構造はフェラーリと同じである。各リソースは最初から存在していた訳ですよね。ですから、新しいモノを作るよりも現存するモノを再構築する方が、勝負は早いんじゃないか?と思うんです。今ある、技術、リソースを組み合わせるのが大事だと。

知財確保の費用
今の知財獲得は、費用が掛かりすぎますね。以前計算したんですが、消しゴムの知財を取るだけで600万必要でした。あるロゴを世界中で抑えると5,000万かかります。
今、国の補助金を知財費用に使ってはいけないんです。機械、材料は買っても良い。最近、ようやく、カタログを作っても良いとなったんですが、本末転倒ですね。知財を押えない限り、カタログに載せたら一発アウトです。ホントにやるなら、その知財費用を国が持たなきゃいけない。中国や韓国、イギリスあたりは国が全面バックアップですからね。しかも、中国はそれを悪用しますからね。知財権ビジネスですね。日本でやられているシーズハンティングがそれです。

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