9-1.大阪、神戸、京都

神戸での開催
 地方巡業ではないですが、第7回目の時、大阪でやっていた時に,「関西文明倶楽部って言っておきながら、何で大阪でばっかりやねん?」という話がでてきました。前回の第八回は神戸でさせていただきました。神戸では、神戸のアイデンティティについて議論しようじゃないかという事で、パネラーの方、半分は神戸在住の方に参加していただきました。また、神戸市役所の御協力を得て、KIITOという会場でやりました。で、今日は、神戸の時に参加しておられない方が多いので、神戸の概要を説明させていただきます。

神戸での議論
 都市総合力とグラフ、これは森財団と三菱総研が、世界の都市のランキングを行ったものです。これを神戸市の方はじめ,皆様に切り口としてみていただきました。 工場 このランキングの面白い点は、普通このような物は経済面ばかりなんですが、この資料は、文化、環境、交通アクセスなどの項目をチェックしています。見ていただくと分かるのですが、東京は第4位です。5位がシンガポール、6位がソウルです。そして、香港、上海と続きます。因にトップはニューヨーク、2位はロンドン、3位はパリとなります。このトップ3都市はこの数年は固定されていて年によって入れ替わっているだけなんですね。ロンドンは、オリンピックによってこの年はトップになった訳です。日本は東京以外には大阪が23位、福岡が35位に入っています。
このランク付けに関しては色々な議論があろうかと思います。神戸でも色んな御意見が出てきました。この図解の赤いバーは文化交流ですが、日本は低いです。世界の他の年に比較すると文化交流で負けている訳です。で、関西で文化交流と言えば、神戸や京都は外せない。神戸の時には、このランキングを見て、「ちょっと待てよ」という意見が出てきました。そしてそこから議論を始めた訳ですが次の様な意見が出てきました。
・神戸の基本は、やはり重厚長大である。震災からあの速度で立ち直ったのも、やはり重厚長大が下支えをしたからである。
・神戸市民の暮らしぶりそのものが、観光資源である。
・関東は東京を頂点とする富士山型、関西は3都市がそれぞれのアイデンティティーを持って連なるアルプス型である。
・震災以降、疲弊したがやはり神戸港は、関西の入り口である。
・神戸市民は、ヒト、モノ、混沌としたものを何でも受け入れて来た。その姿勢が神戸の想像力の源泉である。
・神戸は、都市を均質化させる、全国チェーンの店、特にイオンを好まない。
・神戸は歴史が無い。人工的な実験都市である。
・市民のデザインレベルは高い。デザイン教育を少し行えば、一気にレベルはアップする。


大阪府の取り組み
 大阪府は、この2年程、クリエイターと企業をマッチングして、価値を創造すると言った事を行ってきました。実は、今、関西文明倶楽部からヒントを得て、DSP、デザインサポートプロジェクトと言う名称で事業を行っています。 工場 クリエイターと言えば、知的財産の話は切っても切れない訳ですが、クリエイターさんはその部分の押さえが弱いのではないか?ならば、その権利保全を支援しようではないか。この考えで、コンペ形式でアイデアを募集しまして、その中から良いものに関しては、権利化しようというプロジェクトです。平成26年度中にコンペ形式で2回行う事を決めております。
 もうひとつ、している事をご紹介します。こうして中小企業さんに色んなデザイナーさんを紹介する訳ですが、大阪というのは「サービスは無料?」という風土がありまして、それが非常に歯がゆいのです。そこで、今回デザインイノベーションと名付け、デザインを中心にして革命を起こす、中小企業の方に意識改革をしてもらう事を目的として、啓発活動をしております。
実は東京でも似た様な動きがありまして、2つの都市で同時発信する事によりひとつの流れを作る事が出来れば良いと思っております。
 最後にもうひとつですが、事業をするにはお金が要ります。これも関西文明倶楽部の議論から出て来た話のですが、中小企業は銀行に行っても簡単にお金を貸してもらえない。 工場 そこで大阪府のほうで、クリエイターの方の資金調達を手助けしようと思い、クラウドファンディングを作りました。我々は、感性価値商品のマーケットイン支援を行う為に、東京を拠点とするファンディングのひとつを大阪に来ていただきました。



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