8-4.関西のアイデンティティとその連なり

関西はアルプス連邦型の都市群、関東は富士山型都市群である
 イメージとして京都、神戸、大阪、それぞれ自分が一番やと思てるんですね。大阪はなんやかんやで関西の経済の中心と大阪と思っているでしょうし、京都は京都で関西どころか、京都は日本の中心で、天皇陛下はいつかは京都に帰ってきはると、いまだに信じてやまない都ですし、神戸は神戸でそれを横で見て、ガツガツしてなんか下品だなと思っている。ので関西を一つに纏めようとしても絶対に一つに纏まらない。関東では、千葉県にあっても東京ディズニーランドとか、成田は新東京国際空港と言います。それでも平気なんですね、東京都の周りの県では、東京圏っていいますけど、関西の場合は絶対あり得ない。そういうまとまらなさがが、関西の都市のパワーキャラクターと思います。  このメガロポリス構想の話をした時に、関東から参加されたパネラーが、メガロって中央の様に規模を追っかけるのは関西ではおかしいと言う話が有りました。しかしここで言うメガロの意味は規模を追いかけるんじゃなくて、それぞれの都市が個性的で、それぞれのアイデンティティがしっかり際立っていてその上で、連携するそんなイメージだったんですが。東京の文化圏っていうのは東京を中心とした富士山型。関西ってそれぞれに都市がしっかりした峰を築きながら大きな山脈を創るアルプス連峰型の文化圏を築いている。こんな地域は世界では特異で、この都市群が関西の重要な特徴でもある。みんな富士山型が多いんですよ。関西にはのんびりした奈良があり、激しい大阪があり、ちょっとすました神戸があり、日本の中心やとおもている京都がありっていうこのよう文化圏は極めて面白い面白い地域です。連峰型都市群のイメージで議論をしていきたいと思います。

観光都市神戸−コンパクトシティ神戸
 今回は神戸で開催させていただいているので、神戸に焦点を当て、観光というテーマで議論に入りたいと思います。神戸デザイン協会さんは今年度は『観光デザインする』をテーマを揚げられてる。 観光資源っていうのは京都にしても大阪にしても神戸にしても特に観光資源は大阪、京都と違って特に異国情緒であったりとか外国の方も来られたらコンパクトシティという感じです。海有、山有、町有、15分でどこでも行ける。 工場 こういうところが非常に大きな観光資源では無いでしょうか。これだけの観光資源あるのになぜ、震災がきっかけになったのですが、観光客が大幅に減っている。昔のように外国人がいっぱい訪れて外国人がいるから、異国情緒たっぷりやから、神戸行ってみたい、いわゆる憧れの地神戸っていうようなものを我々神戸のデザイン力でなんとかならないかと、神戸デザイン協会がテーマにしました。いろんな意見交換をして少しずつ進めようとしています。

神戸の輪郭が見えない神戸人
 皆さんもたぶん感じてるんですけど神戸の人っていうのは京都の人が「日本の中心は京都やで」っていうほど神戸の人は神戸のことを「こうやねん!」と言わない。どっちかというと自分たち神戸や「からかっこいいでしょ」な感じでじつは胡坐をかいている。実は私神戸のもともと神戸の人間けど、すごく神戸のことは大好き、神戸のことは、自信持って神戸ですっていうんですけど。もともと神戸に住んでいる人がそうかというと、どうもそうじゃないようない。それが神戸の人の「かっこつけのよさ」っていうところなんです。神戸こうべと言わないと?このまえテレビ見てたら大阪のおばちゃんにインタビューしてたんですが「イヤー奥さんって神戸っぽいですよね」っていったら、奥さんが「いやーそんあん」っていって照れてよろこんではるんですよ。大阪の人、大阪のおばちゃんに「奥さん神戸の人?」っていったら非常に喜ぶでも、じゃあ神戸の人になりたいかっていうと大阪のおばちゃん神戸の人になりたくないんです。ある意味神戸と言うところはそういう風に見られてるんですね。  それにどうも神戸の人は胡坐をかいてしまって、自分たちが何か動こうとしないってところがあるんじゃないかってところをちょっと感じています。 だから神戸ブランドだから、なにもしなくても神戸に人が来るのと思ってしまっている気がします。

関西の入り口神戸
 昔は神戸ってニューオーリンズとかジャズとか街の角にかならず外人がいてる。喫茶店にはいったり食堂に行ってもいてるというその雰囲気があったんですが私の感覚では神戸ていうのは関西圏で入口だと思ってるんですよね。大阪っていうのは入って来た情報を熟させるところ、で京都っていうのは積み上げるところで、しかし、震災以降っていうのは入り口じゃなくなってきてるきがする。 工場 最近昔を取り戻そうと、ジャズとか様々なフェスティバルとか、模てるが、また、ちょっとおしゃれな遊びちょっと、おしゃれなスイーツとか食事っていうように本格的では無く、『ちょっと』っていう部分、非常に薄っぺらくなったというのが感じられます。入り口が神戸だから入り口をちゃんと入り口らしくする、それから積み上げて熟成するところを大阪。伝統のなかで積み上げながら京都。そんな関西圏って私大好きなんですよね。

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