7-5.デザイン業界の問題点

デザインの位置づけ
 セミナーばかりなんぼやっていても積み重ねがない。拡がりだけですから、つまみ食いをしているだけのようなものだから。こいつをやっぱり実践プログラムとして高度に立ち上げているプログラムにしないといけない。これも一つ考え方で、それともう一つは中小企業の中でデザイン的な事を育つのが難しいという判断があるんですよ。 クリエイティビティとかどっちかというと客観性のある方がいいんで。そういう意味からすればデザイナーとデザインのマッチングじゃあかんと考えたんですよ。なにをするかといえば適材適所にデザインの派遣のビジネスモデルをやろうと考えている。そういうもっと多様化に対応する柔軟な仕組みというものをどう作っていくか、これは今まだ、我々は言葉で言っていますからまだデザインセンターがそこへ100パーシフトするわけではありません。考え方としてはそういう方向へ持っていきたいなと考えています。 中国とか韓国とか台湾っていうと、どちらかと言えば、言葉悪いけど覇権主義なんですよね。国内の力をつける武器としてデザイン戦略を利用しているわけですよ。だから非常に戦略的だから、やっぱり提案型の世界にいるんですよ。日本のデザインと言うのはそうじゃなくてやっぱり、いつまでも受け身でしょうね。僕から見たら。海外に行けばそれがよくわかりますわ。例えばインドネシアなんかいきますとホームインダストリーと言うのがあってデザイナーと組んだらなにをしているかというとデザイナーとそのそのホームインダストリーと言ってラダン家具とかデザイナーがニューヨークとかに売りに行っている。というようにものすごくアクティブなんですよね。考え方が。 その代りリスクを考えてるんですよ。そういう構図と言うのは未開国でやっているからあれはいかんというのではなく、けっこう大事な事やっているんですよ。ただ日本のデザインのスタートと言うのはどうも受け身の下請け的から始まったという事もあってそこの体質がなかなか抜けきらない。 もっといえばファンドなんかでもほんとに借りたいという人がどんどん出て来てくれれば、これはしめたもんですよ。なかなか出ない構図だと僕は思うんですね。現に私は、大阪デザインオフィスユニオンで全部やってきましたけど、大阪府の色んな補助金の説明したって借りにくる人がなかった、デザイナーは、5000万借りたらどうやって返すのみたいな話になってましたから。

デザイン業界の抱える問題点
 いまの話の中で3点すごく大事な話があって、一つは我々文明倶楽部で議論していた「デザインと言う枠組み」。枠組みが全然変わってきたよと、デザインという言葉でも表現できない世界に行っている可能性。それが一点。 それからもうひとつデザイナーそのものの日本の文化資産と言うものはかなりしっかりできあがっていてデザイナーにはデザインをするメソッドはあるけどもそれをビジネスにしていく形が何も見えてない。これもまえから議論していた事なんですけども一つの考え方として日本の、特にインダストリアルデザインというのは製造業から出発した仕事をもらって仕事をしてきた。 で結果、製造業がどこかに行くとみんな貧乏になってしまう。さあどうしようというのが今現状じゃないか。フリーランスの人もそうだし、それから私が勤めていたシャープでもそうで、海外移転全部工場すると日本人のデザイナーを減らして移転先でデザイナーをやとったらいいやんという議論になっていくんですよね。でもここで、インディペンデントしてデザインを一つの知的産業として独立して事業をやっていくべきだ。という議論。 それで、その中で大阪デザインセンターは新しくどういう風に脱皮しようとしてるかというのをただ今模索中だと、エンターテインメントの世界との枠組みというのを境というのをはずして、新しいそれこそエクスペリエンスデザインにちかいようなものに仕上げて行こうと考えないといけない。

人材育成
 特に思うんですけど、最初に出た大阪教育デザイン研究所の事もそうなんだけど、やっぱり人材を育成するというのはものすごく大事な事で大事なポイントでしょ。それで文部科学省なんかと話をしていると、ある教育機関とかそういうクリエイティブな機構を作ろうと思えば行政が、絶対そこのところにそういう教育機関を作ったらそこの産業まで全部活性化するという事がない限り×なんですよ。 もう今厳しくなって。ですから行政とひっつくというか行政がそういうものを育ててやると言うような。地域のコアになりますから。教育と言うのはなんぼいったって。そういうようなもののつくれなければ、大阪は駄目になっていく。ここが一番大事なんですよ。基本の基本です。 やっぱり、町おこしとかそこの地域のイメージをあげようと思うと、教育機関がしっかりしたものがあって、そこが地域に貢献し、そこに投資したものは地域に還元されて雇用も発生する。そして再投資するというこういう考え方の循環なんですよ。一番大事なところが、どうも今大阪は希薄だと思うんですよ。

商品の魅力
 松下にいたときに幸之助さんが言ってた事があるんですけど、会社の中っていうのは要するに三万人いてると、三万人いてるけど、事業を作っていくのは何人いたら良いと思うかという話があったんですよ。1000人か500人か?どんな位が良いか言えば、100名近くのもので十分だっていうんですよ。これはどういう事かっていうとネタの種は誰がつくるのか。社会の。そのためにその100人の情報をどれだけうまく還元できて、それでその会社全体を動けるようにするかっていう事の根幹のところがネタの種なんですよ。そのネタの種をつくる教育がされてないんですよ。 例えば私の話でいうと、こういうものがあって、ひっくり返したらサクラになる。ここにあるのがネタの種であって特許がありその知財が出てこれが製造業に行ってこれはうちが資金をだしてやっているんですが、でそこにある宣伝があるし、作る人がいてるし、流通がある。これはネタの種が生きているからですが、流通の中でさきほどの資金の問題ニッチ性が高いというビジネスモデルと言う総合的な事の中で、そうすると私たちが動いているのは弁護士であろうと誰であろうとそのネタの種がきちっとなっていれば活性するわけですよ。 弁護士の人が問題を引き落とすわけではないですし、それからファンドの人が問題を引き起こすわけではなくてやっぱりネタの種がきちっとできてる、という事がそれを見分けるかどうかですよね。そこの部分の共演っていうのが誰がしてるのかっていうのですよ。

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