7-3.デザイナー以外からのサポート

知財の保護
 私は、弁護士の仕事を行っておりますが、知財を守るという立場から、デザインに関してなにかあたらしいソーシャルサービスができないかという事を考えてまいりました。そして行政にご協力いただきながらデザインサポートプロジェクトを立ち上げました。これは、社会の課題をデザインが解決するというテーマで、デザインや知的財産が正当に評価されるシステムが作れないか、デザイン知的財産育成につながる事ができないかを考えるものです。 経営とか法律とかの世界は、クリエイターの人たちから遠いかもしれませんけど、そういう視点でクリエーターの人たちのアイディアや知財をいかに資産にかえていうかという視点で事業計画したいと思っております。

ファンドの役割
 前回のミーティングの中で、クリエイターばっかり喋ってて意味あるのかという議論が出てきました。そこで今回は、弁護士さんともう御一人、ファンドの分野からも来ていただいております。市民に対して生活者に対してどういうふうな部分をファンドと言う形で支援していけるのか、そういう視点でちょっとお話をお願いします。 当社は東京の会社なんですけれども、この度グランフロントに子会社をつくりました。その会社が今、大阪府さんと一緒にクリエイティブな事業とか地盤の会社ですとかご支援できるようなクラウド型ファンド、クラウドファウンディング全般をしていきます。
工場 また当社はファンドの事業以外にも、音楽レーベル、音楽マネージメントもやってましてものづくりと金融を同時にやっているというのが非常に特長的かなと思います。当社は、もともと、音楽家が作りたい音楽を作るための資金調達を金融の仕組みとインターネットの仕組みをつかって実現していこうというところから始まった会社でしてなので、まさにクリエイティターのためのファイナンスをプラットホームにというところから始まってます。 僕自身も音楽をずっとやっていた人間ですのでものをつくる、それを稼ぐという事に対してですね、非常に小さい頃から貪欲に取り組んできたと思います。しかし、やはりどこかでぶつかる壁がありまして。それは、私が音楽やってた頃でいうと、例えばレコード会社に所属しないとやっぱり音楽でご飯がたべれないという状況があると思うんですけど、もう一方でこの音楽をやってファンも喜んでるんだからいいじゃないかという想いの両面を実現していきたい訳です。 当社は、2004年から音楽以外のファンド作りも始めているんですが同じように、例えば誰かの依頼でものづくりをしているとかデザインをしているとか下請けでやっている場合と、あとは自分でインディペンデントとしてものを作るクリエイティブにデザインもする、その商品もつくってプロデュースの領域までかかわっていこうとするとですね。やっぱりビジネスとしてのインディペンデント性も高まると思うので、そこでただそれが独りよがりのものだと売れなくて、ビジネスとして成り立たないと思うんです。  当社の事業と言うのはですね一般的なクラウドファンディングとはちがって投資なんです。金融なんであくまできちんと事業計画を考えてたとえば一万円投資したら一万円以上になって戻ってくるかという事を投資家は考える訳です。ですから、過去のトラックレコードはどうだったとか、簡単にこの事業をやめない決意とか、そういう事をウェブサイトできちっと開示したうえでお金を動かしていくという事をやっています。ですからある程度、覚悟のあるクリエイターの方とかモノづくりの方とかが参加していただいています。 そういう事を、大阪府さんもいっしょにやっていこうと考えてくださったと思うんですけど、今、国全体としても成長戦略の中で個人のお金を金融的な視点で観ますと個人の資産というのは非常にたくさんあってそれをこういう成長分野であるクリエイティブ分野で位階していくにはどうしたらいいのか考えると今までみたいに銀行に預金して銀行がお金を融資するんではなくて、個人の方が自分がいいと思ったものに投資していくという直接投資の流れを作っていくと、この仕組みの図でもあります。 当社がやっているのはマイクロ投資なんですけど。いろいろ受難はあるんですけどともかく大事なのはこういうものを作りたいんだとかこういう会社にしたいんだとかが明確にないとお金は集まらないのです。これがつくりたいんだけどあとはお金だけだってなった時にこういうファンドの出番であると、これは当社のアーティストが音楽ファンドでアルバム一枚作るのに7千700万とかいまでは一億近くかけたりしますのでそれを個人から小口で集める事をやっております。 それと、次は酒蔵さんのファンドですね。いま兵庫県の酒蔵さんはやっぱり米にもこだわりたいし三年熟成させてねかしたほうがビンテージになって付加価値がたかいのですが、通常の銀行借り入れですと、毎月返済があってなかなか待てるお金じゃないのです。しかし、ファンドのお金だと待ってもらえるという事になるのでそういう事を実現していきたいと。例えばこんな酒蔵さんもですね2008年は660万円のファンドから始まったんですけれども毎年こういう風に必要な資金を集めてまして2012年は2490万円にも増えて、使っていただいてるというような状況です。 次は、アパレルのファンドで、ジーンズです。岡山県はジーンズのメッカなんですけど、結構生地としては下請けに甘んじてるところが多かったんですけど、自社のブランドを立ち上げて岡山のブランドを立ち上げて行こうというものです。 あとは、今治の有名なタオルの会社さんなんですけども、ファンドを立ち上げたときはけっこう経営も簡単ではなかったのです。資金を調達していただいて、オーガニックコットンなどのコンセプトをあらたに打ち出していきました。 また、パルコさんとですね、ファッションデザイナーさんを応援するためのファンドをつくりました。ファミリーマートさんとは、各地の生産者さんをファミリーマートのお店という事で一緒にファンドをやらせていただいてます。あと阪神電鉄さんと育った沿線という事で新在家という駅から駅前の欲しい店は住民が投資して作っていくみたいなコンセプトでやっています。  あとは太陽光発電のファンドもですね、京都市さんと静岡市さんと一緒にやらさせていただいてます。あとこれは大田原市がグリーンツーリズムの会社を市が100パーセントの資金を出して作りまして、その資金も全国各地の旅行付きの方が投資すると、アプリのファンドもやらせていただいてます。ニッポン放送さんのアプリを作ったりとか。あと被災地の方のファンドですね。とにかく多いです。

行政の役割
 今、具体的なこうあるべしと言う姿が見えて来てそれを具体的なビジネスモデルまで吊り上げればお金はきちっとあつまって来るよと言うメッセージだと思うんですけど、行政からのメッセージをお願いします。 去年の夏ぐらいから我々もクリエイティブ産業の資本の事をどうするかという事でやはり資金の問題があるって、出口とか。役所っていままでは、マッチングだったり、セミナーだとか入口の所ばっかりをしてたんで、ホントに出口の部分って全然やって中ったところがあります。
工場 最近は、やっぱり資金どうするんだという事を考えてまして、クラウドファウンディングっていうのは、リエイティブ産業のひとつの出口として考えています。最初は直営とか色々考えたんですけど、なかなかそこまではという事がありましてですね、民間のパートナー会社と協力して、二者が組む事で市民に対してメッセージが出せるんじゃないのか、と考えました。 中小企業や、クリエイティブ産業の方々に対して、ファンドは、こういう使い方をしていけばいいですよ、物語性や意気込みなど、そういうところをWEB上でしっかりとメッセージ性を伝えないといけない。という事もありますのでそういう使い方があるんですよという事を伝えたいと考えています。 行政が補助金を出すからとか、行政が支援するから金銭的な支援をしているだけまわっているのはビジネスにならないと思います。イベントにすぎないと思います。民間の活動は、最初の時ってどうしても発信力が弱い、それが普及するのに時間かかりますよね。そういうところをやっぱり我々がすべきではないのかというのは持っておりましてコラボレーションが出来て、背中を押す役割ができたらという事が行政としての役割だと考えています。

デザインサポートプロジェクト
 前々回でしたかね。知財権の話で意匠登録したり、特許を取るのにごついお金がかかる、その知財保護自分でしようと思ったらえらい事になったとかなるとかいうお話があったと思います。実はそのクリエイティブ産業を何か活性化するためにそういう今まで課題としてなかなか突破できない。クリエーターはクリエータ、リーガル関係はリーガル関係、ファンドはファンドって別々に動いてたものが一つになんかなりかけてるような気がします。
工場 今、デザインサポートプロジェクトというのを大阪府さんにお話を持って行ってご協力を仰いでるところなんです。デザイナさんから、デザインをつのってですね、それを専門家の方に見ていただいて、デザインとして評価をしてから、リーガルチェックもして他の知的財産権に抵触しないかですとかチェックをしたものを合格という形にします。合格した者をですねそれを意匠権などの知的財産として登録をして、あとは他人の知的財産権と抵触しないかという事をチェックをして、それうぃ当方で権利化をする。そして、権利として保全したものをさらにそれを一般に広く伝え、交流者をつのるという方法もあれば、公表しないでメーカーとのマッチングをする、とかそういったスキームは作れないかという事を御相談しています。しかもそれがビジネスとしてちゃんと成立するような形で、大阪府さんに持っていき、ご協力いただけないかなと考えております。 お金がなくても権利として保全できるようなしくみがわが国にはなかなかなくてそのような支援のしくみの先駆けとなれないのかなと思っています。 しかし、実際、それがうまく機能するのかというのはやってみないと分からないところもあるんですが、我々としてはまず我々専門家が手を挙げて手弁当でやってみるという事が大事なのかなと、かつそれを大阪から発信するという事で少しでも関西の経済を発展させるところにつ流ばいいなと思って、今すすめてるところであります。そういう意味ではデザイナーさんと言うよりは弁護士とか弁理士とかもそうですけど我々のほうが考え方を改めて行かなければいけないなと言うところは思っております。

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