6-3.クリエイティブと金

クリエイティブとお金儲け
工場  お金の設け方(クリエイターのビジネスセンス)  ファッションの専門学校にいますと、クリエイティブコースとファッションクリエイティブマネジメントコースとテクノロジーコースと。大体三本柱ですね、分かれてるんですね。で、クリエイティブはどんどん割りと日本もですね、この間もイタリアのポリモーダというところで、日本の留学生が最優秀者をとって卒業した。そこの校長はですね、「彼は凄いクリエイティブを持っている。彼に必要なのはビジネスマネージャーだ。」といったんですね。だから、クリエイティブ一生懸命育てていても、彼はどういうハンドル向けて、どういうお客さんで、どんな値段で、どういうコストでやったらいいかとか出来ないからですね、結果日本に帰ってきてコレクションデザイナーで出ても、2~3年して潰れてしまう。 ヨーロッパでは非常に優秀な学生でしたが。

クリエイティブ産業と投資
創作活動に金を裂けるのは、いわゆる今の金融では無い。クリエイティブな活動に投資出来るファイナンスが必要である。一つの方法として、クラウドファンディングという方法が考えられる。

日本のフリーランスデザイナーは中国や新興国の企業を助けている

工場やはり、お金の話は切って離せない話である。実際、関西のデザイン会社は本当に儲かってないと思う。関西には仕事がない。だから皆出稼ぎに行く。例えば黒川雅之さんは三つの事務所を中国に作った。喜多俊之さんも中国に、間宮さんも海外へ出ています。皆、中国に出て行く。実際に今、デザイン料って言うのが韓国や中国や台湾から発注するデザイン料の方が高い。関西の企業から発注するよりも。これが現実だ。これでは関西の製造業はますます衰退して行くし、国際的競争力もなくなる。皮肉な事に、関西の有能なクリエイター達は、中国、韓国、台湾、香港の産業を助けている。それが現状である。
 そんな中で、日本や、関西の企業にこだわっていたら、関西のクリエイターは、どうやって暮らしていくのか、もう少しそのお金の使い方。クリエイターが、日本や関西でちゃんと生活が出来るクリエイティブ産業のあり方を考えなきゃいけない。

費用対効果が不明確では投資対象にならない?
工場ではなぜ日本の経営者はデザインに投資しないのか。それは、経営者の関心事は、費用対効果で、デザイン依頼してもその効果が解らない。これは経営者にとってはリスクです。
この課題はクリエイティブビジネスの在り方を、改めて考えるべき課題です。例えば、宣伝広告だといくらぐらい、10分の1投資しましたって言うのは資生堂の考え方ですけど、それは、その投資に対してこれぐらいの売り上げがあがりましたという、前例があるわけです。その実績を元に、広告投資を決めている。
 デザインの場合はそれが見えないと言われています。デザインに関しても費用対効果を見える化しようっていういくつかファンド会社がやろうとしてます。このようにデザインの費用対効果が数値化されるとと我々デザイナーにとってもいいことである。

行政やファンドは人や才能には投資出来ない
工場もう一つの課題は、行政主導でプロジェクトに参加すると、必ず大きな問題がある、我々は決められた器の中に入れられてしま。すなわち、プロジェクトの枠組みが全て出来いて、お金のやり取りはデザイナーに関係のないところで行われている。例えば、補助金はデザイナーに支払われるのではなく、一度、製造業企業にしはらわれ。企業からデザイン費用としてデザイナーに支払われる。
 一方、韓国のソウルデザイン財団がやっているやり方は、実際にコンペに通った学生達にお金を開発費として直接渡す。支払われた何千万ウォンお金の中から自分達が金型屋や、技術者に、学生デザイナーが発注して製品にする試みが行われている。これは、全く違った発想で企業に対して投資するのか、人の才能に対して投資するかの違いです。このやり方は、クリエータの起業家精神を養うし、クリエイティビティの高い企業が生まれる。経産省の発想ではあり得ない。日本の経済産業省の考え方は、企業に対しての投資は出来ても、人の才能には投資はでき無い。ファンドも、政府もこれでは、既存の企業は助かるけど、新しいクリエイティブ企業は生まれないし、時代を変革する様なクリエイティブ産業は生まれない。

製造業のお助けマンのクリエーター
府に対しては非常に耳の痛いことかもしれないが、デザイン料が1バジェット30万っていう基準を大阪府が発表してしまった。その時点で、大阪においてはデザイナーの地位が愕然と落ちてしまった。それで、デザインって30万でしょ?っていうのが確定されてしまった。これを誘導したのは大阪府です。それは、結局何なのかというと、デザイナーは中小企業、製造業のお助けマンであって、クリエイティブではないわけです。ちなみに大企業は海外のデザイン事務所には1バジェット1000万単位で発注していますし。海外の企業は500万単位で日本のデザイン事務所には注しています。誰がそんな単位を言い出したのでしょう。


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