5-4.クリエイティビティの高い市民創り

戦略目標
 日本の社会は、既に高い民度と文化度を有しており、市民はその自覚しなくてはならない。しかしながら、クリエイティビティという視点で市民の意識や、感性については決して高いとは言えない。都市の力は市民の持つ美意識やクリエイティビティによるところが大きい、またこれからの商品開発や都市開発はユーザーである市民の参加が必要不可欠となりつつある。すなわちその都市が生み出す製品やサービスのレベルはもその都市の市民力によるといえる。
 関西は消費市場から新しい価値を生み出すクリエティブ都市に脱皮する為には市民のクリエイティビティの更なる向上が必要である。
 しかしながら、現在の教育は、芸術文化に関する教育時間は極めて少なく、またその教育内容も教員もお粗末なものである。クリエイティブ産業立国を宣言している英国は大学や高等教育は勿論のこと、創造性は短期で即席に育成出来ないものとし、初等中等教育における創造性の教育が重要であると位置づけ、その教育プログラムを実施している。
 そして市民の創造性への意識改革を目的きとして、様々なフォーラムの開催や市民を巻き込んだデザインイベントをおこない、創造性に富んだ市民を育成するひつようがある。
 結果、パリ、ロンドン、ニューヨークの様に創造的都市としてのブランド力を持たなければならない。

目標達成する為の課題
工場 (1)商品の品質やデザインが解る文化レベルの高い生活者 (市民)経営者を育成
  競争力のある製品や住環境は、厳しい目を持つユーザ
  ー(生活者)が育てる。高い美意識と文化度の高い市
  民を育てることが、クリエイティブ産業の活力を
  生む。
(2)全てのひとのバックボーンにクリエイティブ産業
  参加の可能性を広げる。
  日本の製造業はこのまま手を打たなければ海外に流出し、ゼロになってしまう。
  この製造業が雇用していた労働者の受け皿としてクリエイティブ産業を位置づける。
(3)初等教育から知識教育に加えクリエイティビティの教育を行い創造性豊かな人材を
  育成する。
  クリエイティビティの高い人材は短期間で即席に育てることは出来ない。初等教育から
  青少年にかけて創造性を育む教育が、長い時間をかけて行わなければならに。

課題解決の為の策
工場 (1)クリエイティブ企業へ転換でる可能性を持つ独自性の
  極めて高い企業や開発に力を入れている企業の為の
  開発者育成プログラム
(2)町づくり市民フォーラムなどの市民運動や、活動を
  支援し、そこから生まれてきた運動を行政に取り入れ
  る仕組みを作る。
(3)市民向けに生活文化に関する(インテリア、生活デザ
  イン、 エクステリアデザイン、ファニシング等)の展示と市民講座を設ける。
(4)デザイン関連団体の参加、講師派遣を得て一般市民向けに生活デザイン講座やクリエイテ
  ィブフォーラムを定期的に計画し、質の高い生活者を育成する。
(5)在関西の総合大学にスタンフォード大学の様なデザイン教育(d.school)の教育プログラ
  ムを普及させる。
  d・schoolは学科、学部ではなく大学構内に有るスタンフォードの学生であれば、誰でも登
  録をする事ができる施設だ。所属している学生のバックグラウンドは 多様で、MBAから
  物理学博士、生物学の学部生まで、本当に様々。この多様性 がイノベーションに繋がる
  アイデアを生み出す。
(6)製造業が減少し、その結果職を失ったひとの失業対策の一環としてクリエイティブ産業
  関連教育を行う。
(7)週5時間の文化教育を子供・青年に行うパイロット事業を行う。
(8)初等教育からデザイン等のクリエイティブ教育問題解決型の授業を取り入れ、他の教科を
  横断する教育を行う。
  後に科学、工学や経営学に進んでも、デザイン素養のあるクリエイティビティ能力の高い
  工学者や経営者に育てる。

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